天使の杖でおいでやす トップページへ戻る

2022年玉手箱ツアーへLet's go♪④
古のシャッター商店街にたたずむ、懐かしさと情緒あふれるなごみの家 ほんまもん(豊岡市)



 今回、私が紹介したいのは、兵庫県の北部、但馬地域に位置する豊岡市の
豊岡駅通商店街の中にあるお店です。
京都歩きという観点からは趣旨が外れているかもしれませんがご容赦くださいませ。

 豊岡市のイメージは、夏暑く冬寒いとか、降水、降雪量も多く天災が多いとか、
ど田舎とか(笑)。
思い込みかも知れませんが、なんとなくそんな感じのイメージがついているような
気がします。
 そんな豊岡市ですが、城崎温泉・出石の城下町・コウノトリの里など、
日本を代表する(?)きらきらと魅力的な観光名所が各地に多々あります。
 古の文化と自然に満ち足りた輝きを体感、満喫しに、一度、この地に
訪れてみてはいかがでしょうか。
って、なんか観光協会のまわしもんみたいですね(笑)。

★ 豊岡市
 但馬地域最大の商店街と言われる豊岡駅通商店街は、JR豊岡駅前から
大開通り沿いに、東へ約800メートルに渡って展開される商店街で、
東端が「かばんストリート 宵田商店街」に接しています。
通称「サンストークアベニュー」と言われているらしいです。
 かつて賑わいを見せていたこの商店街なんですが、ここ近年は駅直結型の
ショッピングセンターや郊外の店舗の需要が増え、廃業してしまい
シャッターを下ろしてしまっている商店もあちこち見られます。
 しかし、根強いファンも多く、地元の方はもちろんのこと、
観光客も途中下車して、食事、買い物などおしゃべりを楽しみながら
商店街をぶらりと散策しておられる姿もちらほら見られます。

 そんなサンストークアベニューに健在する今回ご紹介するお店は、扉を開けた瞬間
「おかえり!」と聞こえてきそうな、まるで実家の我が家に帰ってきたような
趣のあるなごみの空間。
 味もおもてなしもお店の名前も「ほんまもん」です。

★アクセス
 JR豊岡駅、もしくはタンゴ鉄道豊岡駅の駅舎を出て、ショッピングセンター
「アイティー」を目印とし東に向かいます。
 音声付きの歩車分離式信号を東→南というふうに通常なら2段階右折しますが、
車にひかれる心配がないので(たぶん)、南東に斜めに渡っちゃいます。
つまり、商店街の右側(方角で言うと南)を歩くことになります。
アーケードが付いているので、暴風、豪雨以外はほぼ濡れる心配がなく、
傘いらずです。
 そこから東に向かって歩いて行きます。
またしても音声付きの歩車分離式信号の交差点にぶちあたりますので、
三つほどだったかな、(ごめんなさい。ちょっとうろ覚え)をやり過ごします。
ちょっと注意しておきたいのが、中には押しボタン式のものもあり、
気が付かないと青になるまでいつまでも仁王立ちということもありますので、
通りすがりの優しい方にボタンを押してもらってください(笑)。
 しばらくすると左側の商店街(方角で言うと北)のほうから、豊岡市役所の
入口を誘導する♪ピンッポンッ(ライトハウスと同じような)音が聞こえてきて、
焼肉のたれふうの香りと揚げ物の香ばしい香りがうっすら漂ってきます。
そこが目的のお店です。
 目印に「但馬牛」と書かれた旗とメニューが書かれた看板が出ているようですが、
目の悪い私たちとしてはもはや情報は聴覚と嗅覚です(笑)。
白杖で右側を探ると、石畳のようなくぼみがあるのでそれがお店への入口です。
わからなければ他力本願でお願いします(笑)。
 ちなみに道中には、そば屋・商人宿・履物屋・持ち帰り寿司のお店などがあります。
と、こういったとこでしょうか。かなり漠然とした説明で申し訳ありません。
 それでは、お店の中へお邪魔することにしましょう。

★店内の様子
 扉は頑丈で重量感のある開き戸です。
少しだけ力を入れて手前に引っ張ってください。
間口は約1メートルほどで狭いので、体格のいい方はカニ歩きでお願いします(笑)。
懐かしい木造建築の香りと油の染みついたにおいが少しだけ漂ってきます。
内装は和風モダン調といった感じでしょうか。
どこかノスタルジックな雰囲気もかもしだしています。 
 さほど広くもなくこじんまりした店内に、まず、木製の4人掛けのテーブルが3卓。
奥が座敷になっており、真ん中に仕切りがあり、左側に4人座りの座卓が2卓、
同様に、右側にも2卓あります。
座敷は上がり框あり。床は畳ふう。
ビニール製の薄い座布団が引いてあり、掘りごたつ使用になっていますが、
こたつは完備されていません。
座卓の真ん中に焼き肉用のコンロが埋め込まれています。
かなり狭いので少し閉鎖感があるかとは思いますが、その分、壁に沿って
つたい歩きができるので移動は簡単かもしれません。
掘りごたつの穴に足をとられないようにご注意を。
真ん中の仕切りはどうやら外せるようです。
テーブル席の情報は着席したことがないために、
ごめんなさい、わかりません。
 お手洗いは入口から見て右奥にあります。
入る前に暖簾がかかっているのでそれに頭がぶつかります。
ちょっとした段差があります。
開き戸で小便器と洋式に分かれています(位置関係を忘れてしまいました)。
手動洗浄です。洗面の蛇口も手動で、ペーパータオルが完備されています。
座敷同様、こちらもかなり狭いのですが、これまたつたい確認が簡単なのかもしれません。
 消毒液・アクリル板ももちろん完備されており、感染対策はばっちりです。
 車いす・盲導犬を連れての来店は、店内と間隔が狭いので少し難しいかもしれませんが、
お店の方に相談してみてください。

 さて、おしぼりとお冷を出していただいたんで早速メニュー表とにらめっこ。
といっても墨字につき何が書いてあるかわからないので、どんなものがあるか尋ねます。
 ランチは、お得な定食から単品の丼もの・麺類・カレー・季節限定メニューと
品数は豊富です。
価格帯もだいたい680円から2200円と幅広いです。
但馬牛・黒毛和牛を扱ったものは少し高めです。
本来、こちらのお店は但馬牛・黒毛和牛を扱う焼き肉店で、
ディナー営業が主と思われます。
お得なコースもあるようです。利用したことないので知らんけど(笑)。

★ランチ中継

「ううん、迷うなあ。今日は何にしようかなあ」

 実は私、こちらのお店のランチを利用させていただくのは、
もうかれこれ数十回くらいになるでしょうか。すべて定食を頂いております。
 まず、ハンバーグ。
鍋敷きか!ってくらいの大きさで、肉汁控えめで柔らかい。
ソースは焼き肉のたれふうのB・B・Qソース。おそらく自家製。
一般的に、溢れ出す肉汁、濃厚デミグラスソースっていうのが主流だと思いますが
(って、偏見かな)、それらがアンチの私としてはポイント高かったです。
 ローストビーフ。柔らかさの中にも歯ごたえ。厚みの切り落とし。
これまた焼き肉のたれに手を加えたと思われる甘辛いソース。
たっぷりの新鮮なさらし玉ねぎ。
 揚げ物類もサックサクの食感で、中身のカツがいつまでも柔らかい。
って、ごめんなさい、脱線してしまいました。

「よし!これに決めた」

 今回、私がオーダーしたのは、「黒毛和牛焼肉定食 1480円」です。
「但馬牛焼肉定食 1780円」とさんざん迷ったんですが、
お財布事情と相談した結果、前者に決めました(笑)。
「はい、お待たせ!」の声とともにおかあさん(おかみさん)がお膳を運んできてくれました。
 大きなお盆の上に、10時の方向にメインの黒毛和牛の焼肉。
隣にたっぷりの刻み野菜。1時の方向に小鉢物が2種類。
今回は大根とお揚げさんの炊きものとポテサラでした。
4時の方向にお味噌汁。6時の方向に香の物。8時の方向に白米というラインナップです。
 まず、メインの焼肉。
ロース・カルビといった部位を軸とし、サーロイン・ミスジとかという
高級部位の切り落としとかも入ってんのかなってくらいさらに柔らかいお肉。
「おや、これはもしかしてサービス?」なのか、
ただ単に間違っただけかもしれないホルモンの部位が少し、
ザクッときった玉ねぎと一緒に醤油・味噌を掛け合わしたものをベースに、
ほんのりニンニクと果汁が薫自家製ソースで程よい温度でソテーしてありました。
付け合わせの刻み野菜もシャッキシャキで、あえてドレッシングがかかってないということは、
おとうさん(ご主人)のねらいなのか、ただ単に忘れていただけなんだろうか。
そこはなんだか微妙です(笑)。
 もちろん、語るまでもなく「うまい!」の一言です。
肉がとにかく柔らかい。玉ねぎとたれとの相性もばっちり。
白米に1クッションさせて食べれば、最低2杯はいけます。
こちらのご飯茶碗は小さめなのでなおのこと。
って、かくいう私はおかわりはしたことはないんですが、たしか、自由だったような。
 肉質はもちろんのこと、こちらの自家製の焼肉のたれが、なんと言いますか
しつこくなくすっきりしていて好みの味なんです。
ちょうどいいまろやかさ。
ほんと、機会があればディナーもぜひ利用したくなるような気分にさせてくれます。
 小鉢ものは大根が甘辛く、柔らかく炊かれており、ポテサラはマヨネーズ少なめの
あっさりした感じ。
味噌汁は、具はお揚げさんと何かの菜っ葉で、優しいお出汁の効いた白みそ仕立て。
白米も硬くもなく、柔らかくもなくいい塩梅。
香の物は白菜の浅漬けでした。

「ああ、おいしかった。ごちそうさまでした」

で、ランチも頂いたので店を出るかと思いきや、これからが第2部の
「なごみタイム」です。
 今回、男二人・女二人の4人でお邪魔しました。
どうでしょう、はたから見たらダブルデートかと思われているのではないのだろうか。
いや、それはないな、絶対に(笑)。
 腹も満たされ、いつものように近況報告を兼ねた座談会が始まります。
おかあさんは、その絶妙なタイミングで熱いお茶を出してくれます。
おっさん二人とおばさん二人が、ああでもない、こうでもない、
わちゃわちゃと若い子みたいに雑談にはなが咲きます。
だんだんヒートアップしてきたころ、「コーヒーいかが?」と、
おかあさんがバリスタで注いだ少し濃い目のホットを出してくれます。
 そこから、さらに私たちはしゃべりまくって、気が付けばお店がお昼休憩に入る時間に。
いつものことながら時間を忘れて、またしても長居をしてしまいました。
 お会計に向かい、レジに立つおとうさんに、「いつもすいません」と。
おとうさんはもの静かに「ゆっくりしてくれたらいいよ」と少し力のない声で
答えてくれます。
気づいたらおかあさんもぐったりとテーブル席の椅子に腰かけていた様子。
手狭な店ではあるが、初老の夫婦(たぶん)が二人できりもりしておられるのだから、
戦場(ランチタイム)を終えた二人は、もはや戦い終えたボクサーのよう(笑)。
ほんと、お疲れさまでした。
 いつもちょっとだけ迷惑をかけて帰るそんな私たちをあたたかく、優しく、
両親のように出迎えてくれる「なごみの家 ほんまもん」。
いつまでも地元の方や観光客に愛されるお店でありますように。
そして、いつまでも私たちの聖地でありますように。

★ お店情報
但馬牛ほんまもん 豊岡店
https://www.honmamon.co.jp/
※ランチメニューは掲載されておりません。少し古いもののようです。
住所
〒668-0033 兵庫県豊岡市中央町10-1
(豊岡市役所正面)
電話番号
0796-34-8153
営業時間
ランチ
11時から14時(月・火・木・金)
ディナー
17時から22時(ラストオーダー21時30分)
定休日
水曜
豊岡市HP
https://www.city.toyooka.lg.jp/

(2020.01 by 紫の魂)

★出発
京都からのアクセス(一例)
乗車 京都駅 33番線
JR嵯峨野線快速・福知山行き(乗車約1時間50分)
乗換 福知山駅
JR山陰本線・城崎温泉行きなど(乗車約1時間10分)
下車 豊岡駅
京都から豊岡駅までの所要時間:3時間12分ぐらいから
京都駅から豊岡駅の距離:上記ルートで148.4km

◆◆◆

玉手箱ツアーにご参加のみなさま、お帰りなさい。
え?楽しすぎてまだ帰ってこれてない?
・・じゃあ、私もそっちにいっちゃおうかな(笑い)。
紫の魂さん、趣旨が外れてるなんてこと、全然ないです!
密かに?シャッター商店街好きな私はわくわくしっぱなしでした。
実際に街を歩いて、おいしいお肉を頬張って、たわいのなさも心地よい
気心の知れた仲間とのゆるい時間を過ごして、お店のおとうさん、おかあさんとも
知り合いになれたような気がする、温度の伝わる楽しいレポート
ありがとうございました。

今回レポートしてくださった、紅深しさん、天使の羽根さん、
まじめ色モモさん、そして紫の魂さん。
四種四様、それぞれに素敵なカラーとテイストのレポートが集まったおかげで、
自然の風を感じ、人の温もりを感じ、あの街この街の味わいを感じられる
こんなに楽しい旅企画ができましたこと、感謝いたします。
今度は温泉めぐりもいいなあ、なんて。
(でも、見えないと温泉は難易度高いんですよね、まじめな話)

最後に、皆様のレポートを天使の杖につないでくださった
お年玉リーダーさま。
いつもありがとうございます!


2022年玉手箱企画
みんなのおでかけレポート集へ



1.トップページへ戻る
2.図のない京都図鑑(お出かけガイド)へ
3.お花つみガイド(お手洗い情報)へ
4.お役立ち情報玉くしげへ
5.杖休め茶屋へ