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みえない丸竹夷横行記@
ぬらーり 一条通ウォーキング♪



はじめに ルート ポイント 出発 DATA

はじめに

♪まるたけえびすに おしおいけ〜

これは「碁盤の目のよう」と称される京都の街に、
いわば碁盤の横線のように東西に走る通り名を覚えるための数え唄で、
京都人なら子供でも唄えると言われています、たぶん。
ところがこの唄、歌詞の中に二、三、四・・と数字が出てくるのに
「一」がありません。
では「一」のつく通りはないのかというと、そうではないようです。
京都の通りをひとつずつ歩いてみよう!と思い立ち、
始めるならやはり一番最初から、と調べてみると、
どうやら「一」は「ラーメン街道」つまり一乗寺・・
と勘違いしている人が、先述の数え唄を口ずさめる人と
同数に上ることが判明しました・・
というのは嘘ですが、「一条通って知ってる?」と聞くと
面白いほど「ラーメン街道?」と答えが返ってきたのは本当です。
へんなもの大好きなyukiはそんな影の薄さも気に入り、
早速yohくんと歩いてみることにしました。
かくして、みえない丸竹夷をひとつずつ、の企画は
唄にはない一条通から出発です。

ルート

スタート:一条通と西大路通の交差点から東へ
ゴール:一条通と烏丸通の交差点(一条通の東端)

1.大将軍八神社で星曼荼羅体験
2.妖怪ラーメンの「いのうえ」さん・・がお休みだったので
今出川通の「楽zen」さんでヘルシーランチ

3.お隣の「澤屋」さんの名物・粟餅で食後のおやつタイム
4.一条通に戻って大将軍商店街(通称一条妖怪ストリート)行進
5.かわいいパン屋さん発見!「オルセット・ビアンコ」さん
6.なぜかぐるぐる回って晴明神社へ
7.ラストは「虎屋」さんで優雅に反省会

まずはみえないお散歩を楽しむポイントです。

★予習から楽しむ
一本道を歩くので迷う心配はなさそうなものの、
見えない二人で歩いたら
スタート→ゴール
と直滑降で通りを駆け抜けて終わってしまいかねません。
スタートとゴールの間をどう楽しめるか、何を感じられるかが
みえないおでかけで不安なところですが、それが醍醐味でもあります。
偶然の出会いも大事にしつつ、多少は寄り道スポットを予習して
臨むとより楽しくなります。
★GoogleMaps活用
コロナ禍勃発前まで愛用していた視覚障害者向けナビアプリの
Via Opta Navが、バージョンアップに伴いなぜか
使い物にならなくなったのでGoogleMapsに乗り換えたのはいいけど
一勝一敗?一喜一憂?振り回されてる?
早く慣れ親しんで颯爽と使いこなすべく、事前の登録や
道中のナビ、周囲の検索に使ってみました。
その他、
★お腹をすかせて臨み、食べ物に遭遇したときは基本、食べる
★五感をフル稼働させる
★成り行きを優先し、出会いを楽しむ
こんな感じで心身の準備運動ができたところで出発、進行!

1.大将軍八神社(だいしょうぐん はちじんじゃ)
一条通の西端はもっと西なのですが、とりあえずこの辺りからと
いうことで、今回のスタート地点は北野白梅町のバス停。
北野白梅町は今出川通と西大路通の交差点周辺にあり、
そこから大将軍八神社までのざっくりした道案内は、
西大路通を南へ進み、左折して一条通を東へ進み、
天神川を渡ってすぐ左手です。
北野白梅町からの距離は約300メートルです。
GoogleMapsを起動してナビを開始し、指示に従い道をゆくと
ほどなく賑やかな音楽が聞こえてきました。
大将軍八神社は大将軍商店街の西端にあり、聞こえてきたのは
商店街の音楽のようです。
さらにこの日は大将軍一の市という縁日が立っていたようで、
鳥居から本殿までの細い参道沿いにいろんな出店が並んでいました。
ごった返すというほどではありませんが、
出店の賑わいに日常の活気が戻りつつあるのが感じられました。
大将軍八神社の一の市は毎月第1日曜日にあるようです。
縁日というのは単に市が立つだけでなく、本来
神仏と縁を持つ日に参拝することで多くのご利益を得られる日
なのだそう。見えない私たちには賑わいも目印になって
一石二鳥です。
クッキーとコーヒーを販売されていたお兄さんと会話を交わし
今いる場所と進むべき道もちゃっかり教えてもらいます。
幅1.2メートルほどかと思われる石畳の参道を進み、
途中、参道の真ん中に鎮座するものをぺたぺたすると、
台座に載った大きなお星様のようでした。
(さすがに阿吽の狛星ということはなく、1体だけでした)
大将軍というのは人間の将軍のことかと思っていたら、
実は方位や星を司る神様なのだそうです。
参拝の後、本殿の右側にも人の流れを感じていってみると、
白杖の音がよく響く、大きそうな、でもひっそりした建物がありました。
たまたま通りかかったかたにお尋ねすると、それは年に2回、
5月と11月に数日間だけ特別公開される方徳殿だったようで、
ご親切に受付まで案内してくださいました。
そしてとてもありがたいことに、神社の方(宮司さんでしょうか)に
ご案内していただけることになりました。
私たち視覚障害者は、案内がなければせっかく拝観しても
そこに何があるのかまったくわかりません。
ですが逆にご案内していただけると、一般の方以上に
由緒に触れ、深く感じることができます
もちろん見えないという大きなハンデはありますが、
方徳殿の内部は感動の連続でした。
1階では、80体近い神像(神様の木像)が立体星曼荼羅と呼ばれる姿で
輪になって並ぶ中央に立ち、圧巻の星神の世界を体感。
北斗七星になぞらえた7体の神像や童子のお姿の神像の解説を
お聞きするだけでなく、木像の欠片(掌の部分など)に
そっとふれさせていただけたのは本当に貴重な体験でした。
2階では古い天球儀や安倍晴明が使用した天文資料などを間近に
解説していただきました。
天球儀に描かれた星座は西洋のものとはまったく違うそうで、
同じ星空を見上げても、どの星をつないで像を描くかは
まるで違っていること、それでも星を見上げてそこに神の存在を
想うのは古今東西変わらないということなどをお聞きし、
千年前の平安の時へ、そして光年の宇宙の彼方へ、
心が旅するひとときでした。
その後宮司さんは私たちを鳥居まで見送ってくださったばかりか、
お昼ご飯を食べようと思っていた「お食事処いのうえ」さんまで
道案内をしてくださいました。
こちらは大将軍八神社のすぐ前なのですが、この
「すぐ前」になかなか到着しないのが私たち。
しかもこの日はお店がお休みでした。
そうなると、もし自分たちで探していたら
「たぶんここらしいけどお休みであるらしい」ということが
わかるまでには非常に時間がかかったと思います。
お優しい宮司さん、本当に助かりました。

2.韓日茶苑 楽zenさん
いのうえさんの前でしばし井戸端会議・・ではなく
昼食に関する審議会。
GoogleMapsでの周囲の検索では、付近にあるお店は調べられても
「一条通沿い」限定というのは難しいようです。
ひとまず一条通を離れて今出川通に出た私たちは、
ほのかなきなこの香りを嗅ぎ当て、ここは粟餅で有名な
澤屋さんに違いない、とドアを開けました。
すると、ちょっとたどたどしさのある日本語で「いらっしゃい」。
間違えちゃったみたいです。
でもまあいっか、とお昼をいただいたのが楽zenさんでした。
こちらはお粥を中心とした韓国料理のお店で、
生ピーナッツのお粥セット、温麺のセットをいただきました。
お粥、温麺、出していただいた決明子(けつめいし)のお茶、
どれも優しい味わいで、お腹いっぱい食べたのに、
なんだか体にも優しいことをしたような気がしました。
ピーナッツ、つまり落花生は読んで字のごとく、
本当にお花が地面に落ちて実ができるというyohくんの話に、
くるくると花の舞う風景を思い浮かべてみました。
それはとてもきれいで、見ることができなくて残念なものの
ひとつになりました。
こちらのお店の方もとても親切で、東隣の澤屋さんまで
ご一緒してくださったうえ、澤屋さんのお店のかたに
お願いしますと声をかけてくださいました。

3.粟餅所・澤屋さん
お店の前でふんわり、楽zenさんに入る前に感じたきなこの香りに再会。
こじんまりしたお店の中はお客さんがいっぱい。
そこには、なんだかやかましさとは違う活気がありました。
こちらのイートインメニューは、粟餅3個、または
粟餅5個の2択です(お持ち帰り用は10個からのようです)
お昼を食べたばかりの私たちはそれぞれ3個入りを注文。
食べられるかなあ?なんて心配は無用。
きなこ餅もあんこ餅もおいしくて、ぺろりと完食でした。
(でも、粟餅を黒文字で小さくするのに悪戦苦闘、yukiは
趣のある机をきなこだらけにしてしまってちょっと反省です)
こちらのお店は素朴な感じでありながら、
1682年の創業からもうすぐ340年になるという、
京都を代表する和菓子の老舗のひとつなのだそうです。
お忙しそうなのにどのお客様にも丁寧に対応しておられる
お店の方のご様子に、受け継がれる伝統の技と心をいただいた気がしました。
贅沢なひとしな、ごちそうさまでした。

4.一条妖怪ストリート(大将軍商店街)
楽zenさんと澤屋さんがあったのは今出川通、
真向いに北野天満宮の鳥居がある辺りでした。
お店を出て左(西)に数メートル戻り、左折してしばらく南へ進むと、
先ほどの商店街の陽気な音楽が、もと来た一条通の
大将軍八神社の脇に帰ってきたことを知らせてくれます。
そこからしばらく東へてくてく。
その昔、平安京の妖怪たちがこの通りを行進したという伝説に由来する
一条妖怪ストリートには、妖怪がいっぱい潜んでいるらしい・・。
ねえ、私たちに見つけられるかな?
結果は一匹、通りの南側のお茶屋さんの店先で、
手にお茶のお盆を乗せたぬらりひょんを発見できました。
ぬらりひょんは妖怪の総大将なのだそう。
きっと商店街の妖怪の総代表として、私たちの前に
姿を現してくれたのでしょう。
みえない世界でみつけた一匹のぬらりひょんは、100の妖怪に
匹敵するうれしさを、私たちに与えてくれました。

一条妖怪ストリートは、商店街といっても一方通行ながら
それなりに交通量のある通りでしたが、
街に流れる陽気な音楽が商店街らしさを醸していました。
商店街のHPに「西大路通から中立売通までの約400メートル」とあり、
あれ?中立売通って東西の通りでは?と調べたところ、
一条通と同じく烏丸通から西に延びる中立売通は、
西端で緩やかに北上して一条通に接続していることがわかりました。
それで「中立売通までの400メートル」の表記に納得、
ちょっと京都に詳しくなれた・・と思ったのもつかの間、
どうやら私たちはその北上してきた中立売通にまんまと
迷い込んでしまったらしい、と気づきました。

5.オルセット・ビアンコさん(パン屋さん)
商店街を抜けたあと、次の目的地、晴明神社を目指して
さらに東進。
通りの北側を歩いていると、千本通との交差点を過ぎた辺りで
甘く香ばしい香りに出会いました。
この香りはパン屋さん、と、先の失敗を忘れて果敢に扉を開くと
今度は正解、そこはクロワッサンとパイの専門店
オルセット・ビアンコさんでした。
北海道小麦と発酵バター100パーセント使用という素材にこだわった
パンのようで、店内には幸せな香りが満ち、店主さんの
優しい印象とあいまって、たまにパンを買いに訪れるだけで
癒されるような雰囲気に溢れていました。
ちなみに店名の「オルセット・ビアンコ」は白い子熊という意味
だそうです。
大将軍八神社ではおおぐま座のしっぽの北斗七星のお話を聞いたので、
京都の北の街歩きが北の夜空の星巡りみたいになりました。
オルセット・ビアンコさんが一条通ではなく中立売通にあることを
発見したのは、この記事を書くために住所を調べていた時です。
それでようやく、このあと目指す晴明神社になぜかなかなか
たどり着けなかった理由がわかりました。
昔の人は星を道しるべにしたそうですが、立ち寄ったお店が、
この日の軌跡をたどるまさに道しるべとなりました・・
ちょっと遅かったですが。

6.晴明神社
そんなわけで、一条通から堀川通で北にあがってすぐにあるはずなのに
なかなか見つからず、左へ、また左へとGoogleMapsに
翻弄されながらやっとのことでたどり着いた晴明神社。
そこで待っていたのは、とても親切なご一家との出会いでした。
親切で、おまけに楽しいご家族連れの皆様のおかげで
ご神木の大きな楠にもご挨拶。
私の10年ほど前の記憶の中にあり、もう一度出会えたらと思っていた
懐かしの五角形の井戸や一条戻り橋のレプリカにも
案内してもらって再会。
さらに、目的地が同じ方向ということで、そこからゴールの
虎屋さんまでの道中も楽しくご一緒くださいました。
まるで「方違え」やねとぐるぐる回ってたどり着いた先での
こんなにもあたたかなめぐり合わせに、迷ったことにさえ
意味を感じることができました。

7.虎屋菓寮 京都一条店さん
一条通の東の終点、烏丸通に突き当たったところ左手前が
とらや京都一条店さんで、イートインの虎屋菓寮さんは
その少し手前、一条通に面して北側にありました。
満席でしばらく待つことになりましたが、待合のスペースからして
立派な机と椅子があり、聞きしに勝る高級感漂う空間に、
待つ時間の中にも贅沢があることに気づきました。
そしてお待ちかね、天井の高い、静かでゆったりした中でいただく
季節限定の栗あんみつはまさに極上。
今思えば、一条通ウォークなのに上に下にとはみ出しまくりのでこぼこ道中。
でも最初から最後まで楽しさ満載の道中でした。

私の住んでいる星はとてもすてきな星です。
暮らす人はみなあたたかです。
出会った皆様に、ただ心から感謝です。

そんな思いで胸がいっぱいでデザートがのどを通らない・・
なんてことはあるはずもなく、yohくんのくずきりもしっかりいただき
「絶品やねー」と舌鼓。
これからもみえない街に感じる魅力を珍道中レポートに載せて
時折綴っていけたらと思います。
(2020.11 by yuki & yoh)

DATA(外部リンク)
大将軍八神社
リンク先は公式サイトのお守りのページです。
種類豊富なお守りの中に清め砂というのがあり、200円とお手頃で
使い方も掲載されていて、ちょっと気になったので・・。
方徳殿の特別公開は5月1日から5日、11月1日から5日の年2回、
10時から16時 拝観料500円(境内は自由参拝です)
なお、京都市の大将軍〇〇町と地名のつく場所は大将軍八神社より
少しだけ南西になり、バス停「大将軍」は神社の最寄りではありません。
(ちなみに地名になる場合は「たいしょうぐん」と濁らないそうです)

お食事処いのうえ
リンク先はホットペッパーの特別記事。
2017年とちょっと古いので現状と合っていないところもありますが
妖怪ラーメンをはじめとするお店のメニューにまつわるエピソードや
商店街の妖怪についてなどがおもしろく紹介されています。

韓日茶苑 楽zen(今出川通)
11時から15時、18時から21時30分、火曜定休
リンク先はホットペッパーのメニューページです。
いただいたのは生ピーナツお粥セット900円、韓国温麺850円で、
お粥には白菜のキムチ、温麺には大根のキムチがついていました。

粟餅所・澤屋(今出川通)
9時から17時(売り切れ私大閉店)、木曜と毎月26日定休
ネットで「粟餅」と検索すると、Wikipediaで粟餅についての説明がある以外は
澤屋さんの情報のオンパレードでした。
粟餅というのはかなり希少な存在のようです。
リンク先は京都観光NAVIのページです。
イートインメニューは白梅(粟餅5個)650円、紅梅(粟餅3個)500円
の2種類(どちらもお茶付き)、夏場はかき氷もあるようです。
お持ち帰り用も販売されていますが、賞味期限は当日中とのことで
まさにここでしか出会えない贅沢な味わいです。

一条妖怪ストリート
私たちがぬらりひょんを発見したお店は
錦佳月堂茶舗さんという、宇治茶と茶道具のお店だったようです。
お店の方がわざわざ店先に出てきてくださり、私たちの見つけた妖怪っぽいものが
マスクをつけたぬらりひょんであることなどを教えてくださいました。
お店のホームページには「百鬼夜行茶」や「ぬらり豆」など、こちらも気になる商品が。
今回は店先だけでしたが、機会があれば立ち寄ってみたいです。(10時から19時、木曜定休)

オルセットビアンコ(中立売通)
10時から18時(11時から17時という情報も)水曜・木曜定休
購入したパン
クロワッサン240円、
抹茶餡クロワッサン280円、
マロンパイ320円

晴明神社
参拝時間9時から16時30分(無料)

虎屋菓寮 京都一条店
10時から18時 元旦・毎月最終月曜定休(12月は営業)
虎屋さんの最寄りは烏丸線今出川駅、6番出口から烏丸通沿いに約7分。
丸太町駅2番出口からは徒歩約17分だそうです。
思えば、私にとっては地下鉄のアナウンスで耳にする「とらや 京都一条店」さんが
唯一、一条通の場所のイメージを呼び起こしてくれるものだったかもしれません。
今回のお散歩でかなり通りと親しくなれたような、ますます謎が深まったような・・。
そんな京都の奥深さが大好きです。


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