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まなざし農園体験記パート2
お芋掘り 焼き芋 音楽交流・・ 秋の収穫祭は感動がいっぱい♪


6月のジャガイモ掘り体験に続き2度目にまなざし農園を訪れたのは10月15日のこと。
その日は農園の収穫祭でした。
視覚に障害があっても作物を育てる楽しさを感じられる農園として昨秋に開設された農園に季節が一巡りし、1年間の実りに感謝を捧げる収穫祭、見えない・見えにくい仲間とともにお祝いに参加させていただけたらと、今回、チームあおいとりのみんなで秋の遠足に出かけてきました。
当日は、残念ながら参加できなかったメンバーさんの思いもしょって、心はみんな一緒に・・の思いで楽しんできましたので、これを読んでくださる皆様にも、農園での豊かな時間を一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。

それではまなざし農園収穫祭へ、みんなで出発!

1.ぬくもりあふれる収穫祭の1日
2.ジャガイモとは全然違ってた!感動のサツマイモ掘り体験
3.おまけ?とっておき?お隣カフェ・ゆるりさん情報
4.みんなのレポート

まずは大まかなタイムスケジュールにのせて、収穫祭の雰囲気をお届けしたいと思います。

1.ぬくもりあふれる収穫祭の1日
10時頃
農園の方々の笑顔に迎えられ、園内へ。
ご用意いただいた長靴に履き替えていると、地元の参加者の皆様が続々と集まってこられます。
夏場はジャガイモ畑だったというスペースが、この日はベンチが並ぶ特設会場に。
だいたい収まったところで開会の挨拶、参加者名簿の読み上げとひとり一言ずつの声出し。

10時半頃
いつも農園でコンサートをされている音楽ユニット・篠弦(しのげん)さんと、チームあおいとりから参加のウクレレユニット・秋リリリ♪(仮名)による“景気づけ”の音楽に元気をもらって、お芋掘りスタート!

11時半頃
サポートしていただいて心ゆくまでお芋掘りを楽しみ、どっさり収穫してベンチに戻ったところへ焼きたての焼き芋登場!
アルミホイルと濡れ新聞紙で包み、じっくり焼き上げてくださったホクホク甘い焼き芋、舞鶴のおいしいかまぼこ、香ばしく炙っておかかを乗せ、お醤油をちょっぴりたらした万願寺など、次々と運ばれてくるお心づくしの食の振る舞いに、辺り一面笑顔・笑顔・笑顔。
最もおいしい状態で出される食材の数々に、作物への愛情や関わる方々への敬意も伝わってきて、一口ごとに幸せが広がりました。
さらに特別企画、農園で育ったジャンボカボチャの体重当てコンテストでは、実際にカボチャを抱っこして重さを予想するから、見える・見えない関係なくみんな大盛り上がり!
今掘り出したばかりのサツマイモをはじめ、万願寺甘唐やカボチャの即売も行われ、申し訳ないくらいのお買い得価格で家に帰ってのお楽しみまでいただきました。

12時頃
お昼休憩。
チームあおいとりの皆さんとカフェ・ゆるりさんに移動。
あら?さっきいただいた焼き芋はどこへ? みんなランチもペロリと完食(笑)。

13時半頃
ランチから農園に戻り、ゆったりと自然に抱かれて音楽交流。
素敵な演奏と歌声に皆が鳴らすマラカスは、ヤクルトの空き容器にお米を入れ、猫ちゃんのぷっくりシールがふれて感じるアクセントとなったお手製のもの。
ぬくもりあふれる音楽に虫の音も仲間入りしてやわらかな秋の日差しに溶けていく、優しい午後のひとときでした。

14時半頃
閉会の挨拶、名残を惜しみつつ解散。

ではいよいよメインのお芋掘り体験へ。

2.ジャガイモとは全然違ってた!感動のサツマイモ掘り体験
「ほら、さわってみて」
そう教えていただき手を延ばした先には、確かにサツマイモの地上部分と思しき、茎や葉の感触がありました。
ジャガイモの収穫では、この地上部分を引っこ抜いたあとにたくさんのジャガイモが埋まっていたのですが、サツマイモはこの下にはいません。
代わりに、根元からは太い蔓が地面を這うように延びています。
大地と綱引きをする感覚でその蔓を辿っていくと・・
「あっ!いた!!」
蔓は地面を這いながら適当なところで根(のようなもの)をおろし、その下でお芋を育てていたのです。
そこに並んでふたつ、さらに蔓を辿っていった先に今度はみっつ。
これぞまさに「芋づる式」。
そっか、芋づる式というのはジャガイモじゃなくてサツマイモの収穫のことだったんだ!
「本当は蔓を切ったほうが収穫しやすいのですが、切らないほうがふれて、感じてもらえると思ってそのままにしてあります」というお言葉に、改めて縦横無尽に地を這う蔓に気づきます。
昔、娘がまだ小さい頃に体験農園でお芋掘りをしたときのおぼろな記憶では、きちんと仕切られた農園で「この下を掘っていいですよ」と言われた気がするのですが、まなざし農園のお芋は本当に自由気ままに蔓を延ばしています。その、お芋の生きてきた軌跡そのもののような蔓に手でふれ、その進路を辿ると、あたたかく見守られながらお芋が過ごした時間、照りつける日差しや降り注いだ雨まで感じられるようでした。
踏まないように歩くにはあまりにものびのびと大地に描かれた命の軌跡は、辿っていった先々で参加者の足に到着し、都度「あ、ごめんなさい」、そんな出会い頭の笑顔も生んでくれました。
また、「お芋は、下に向かって生長する物はずんぐりに、横に伸びる物は長くなる傾向にあるみたいです」のお言葉にも、これまた確かにその通りと、折らないようにそっとお芋を掘り出す手が納得します。
ある物はのんびり寝そべるように、ある物はふたつ寄り添うように、個性豊かに育ったお芋たちを両手に抱き上げるたび、大切な命をいただくことへの感謝の思いが、優しい気持ちとともに自然と胸にこみ上げました。
大量生産・大量消費の日常において「命」の感覚が薄れがちな昨今、見える・見えないにかかわらず多くのかたに、この大切な感覚を取り戻す体験をしていただけたら・・そんなことをふと感じるひとときでもありました。

3.おまけ?とっておき?お隣カフェ・ゆるりさん情報
前回、6月に農園にお伺いした際にはお休みだったゆるりさん、今回はオープンされていたので、前回ちょっとしかお伝えできなかったゆるりさん情報もたっぷりご紹介します♪
(2022年10月現在の情報です)
正式な店名:マグ・la・カフェ ゆるり
※音声でお聞きのかたへ・・「la」の部分がアルファベットでエルエー、「ゆるり」がひらがな、残りがカタカナというおしゃれな表記です。
営業日:火曜・木曜・金曜・第1&第3土曜(まなざし農園の作業日)
営業時間:11時から14時
メニュー:
定食(唐揚げ定食、ハンバーグ定食)ご飯・お味噌汁・小鉢・ドリンク付き
各900円、ドリンクなしは800円。
※11月からは日替わり定食も復活するそうです。
※唐揚げ定食・ハンバーグ定食は各1日5食限定とのこと。
確実に召し上がりたいときや大人数で利用するときは早めの事前予約がおすすめです。
ちなみにどちらもとってもおいしかったです♪
予約TEL:0773-60-6279
デザート(チーズケーキ、ホットケーキ、アイスクリーム)
各300円
※店内での注文は食券制です。券売機での食券購入が難しい場合はお店のかたにお声かけしてお願いしましょう。
アクセス:
真倉駅から徒歩5分とのこと。
まなざし農園からは100メートルほどだそうで、自転車や看板、通り沿いの店舗前のアップダウンなどでごちゃごちゃした街中の歩道とはまるで違う、広々とのどかな歩道が続く道を、空の広さも感じながらお散歩気分でのんびり移動できました。
ちなみに京都市内から車で農園に向かう場合は、農園はカーナビではわかりにくいのでゆるりさんを目的地に設定するとよいそうです。
その他:
お店のお隣には障害のあるかたの作業所(アトリエ)が併設されているそうで、お店にはアトリエで制作されたさをり織りの小物が販売されていました。
色とりどりの糸で綺麗に織られたランチョンマット、コースター、ヘアクリップ、リボン(ゴム付き)などは、その色を聞いているだけでも心が華やぎますし、楽しく制作されているご様子が思い浮かんで、暮らしに取り入れれば心に明るい花を咲かせてくれそうです。
私は、左右で少し色の違う(らしい)紫ベースのリボンを購入させていただきました。
ありがとうございます!

では最後に、チームあおいとりのみなさんからのレポートをお届けします。

お待たせしました!
4.みんなのレポート
★とにかくとーっても楽しかったです。
久しぶりのおいも掘り、どんどんおデブちゃんやらずんぐりさんやら、
たまにほっそりさんやらが出てきて、
土もやわらかくて、久しぶりに地面に向かって必死になっちゃいました。
土から抜く時の気持ちよさ、どんどん出てくる楽しさ、
畑のお世話をされている方の思いに感謝です。
ありがたいなあと感じながらのひとときでした。
いなかならではののんびりとした雰囲気がなんだかよくて、
リラックスできました。
ウクレレで皆さんと歌ったり、
しのげんさん(篠笛とギター)のやさしい演奏があったり、
かぼちゃの重さ当てクイズがあったり。
ちなみに私は第2位でした。
なんと言っても焼き芋のおいしかったこと。
昔ながらのホクホクのおいもさん。
ランチ前なのにおいしくてつい食べちゃいました。
地元野菜の万願寺とうがらしや、舞鶴名物のかまぼこもいただいて、
おいしくハッピーな時間でした。
あえて時間を作って、ひねり出してでも楽しむことって大事ですよね。
温度のある、土の香のする、人の思い、息遣い、
めっちゃ大事ですよね。
市内にいて、忙殺されてるだけではわかんない、忘れてしまうことがある、
カントリーバンザイ。
チームまなざしさんの情熱にも感謝、感謝です。
立派なさつまいも、40日寝かせてから、いろいろお料理しますね。
やっぱりグラタン、シンプルにお味噌汁、カレーに入れてもいいですね。
もちろん、蒸してホクホクといただくのは外せませんね。
さつまいもサラダもいいな。
お肉でまきまきしちゃうのもおいしそう。
りんごと一緒にバターとレモンでチンして、パイで包んで焼くのもいいかも。
また、太る練習ができそうです。
おいも料理のレポ、また書きます。

 ☆おいも料理レポ、楽しみにしてまーす♪

★久しぶりにいも掘るのもよかったし、
しのげんさんの演奏も良かったし、
ウクレレ弾くのもよかったし、
何もかもよかった。

 ☆飾らないお人柄の伝わる、思いの凝縮されたお言葉、うれしいです!

★秋晴れのなか、お芋ほり遠足を満喫させていただきました。
まなざし農園さんのお芋畑で、土の中で連なって待ってくれているお芋の兄弟を掘り起こし、収穫の楽しさを感じさせていただきました。
大人であっても嬉しくって。
収穫のあとには、ふっくらおいしい焼き芋をいただいたり、しのげんさんの歌と演奏に癒されたり。
あおいとりチームからも、秋の空に響く歌声とやさしいウクレレの音色、息ピッタリの演奏など音楽の秋をたくさん楽しませていただきました。
私は収穫したさつまのお芋で今回は大学芋を作りたいと思います。
まなざし農園さんの活動とおもてなしに感謝いたします。
ありがとうございました。

 ☆本当に、行楽の秋、食欲の秋、音楽の秋・・いっぱい満喫した1日でしたね。

★あおいとり 秋の遠足を迎えるにあたっては何かと波乱万丈なプロセスがありましたが、無事に開催の運びとなりました。
当日は、お天道様のご機嫌が大変麗しかったらしく、こんなにサービスしてくれんでもええがなってなぐらいのピーカンのお天気で、少々汗ばむぐらいの爽快で快適な気温でした。
午前10時ぐらいに農園に到着し、車を降りると、すぐさま日なたのにおいと土のにおいが、爽やかな秋風とともに鼻腔と体中に広がっていき、大地の恵みの歓迎を受けました。
開会のあいさつののち、土の感触を長靴越しで感じながら芋堀り会場へGO!
早速、移植ごてを片手に、張り巡った芋づるをかき分け、軍手をはめた手で探りながら土中のお芋ちゃんたちの救助作業?発掘作業に取りかかる。
豊満な子、しゅっとした子、個性的な子など、出るわ出るわの大豊作で、皆さん、童心に返って少年少女のようにキャッキャキャッキャの大はしゃぎ。やまびこもびっくりの大盛り上がりの自然の中のひと時でした。
収穫のあとは、極上の焼き芋ちゃんたちを皆さんでこぞって、ヨーイドンで一斉にお口へと頬張り、やさしい甘さが少し作業で疲れた身体にじんわりと沁みわたるのでした。
ランチタイムに入り、農園隣接のレストランカフェで、各自、オーダー済みのランチを頂きながら、昔話やら近し話やらで談笑を楽しみ、女子たちは、店内に展開されたさをり織りグッズのコーナー、あ、さをり織りといっても全国のさおりさんが織ったものじゃないですよ。って、そんなことわかっとるわい!ってな話ですが(笑)、隅々まで物色。お気に入りのアイテムが見つかったようで、即日現金払いでゲットしておりました。
午後の部に入り、お待ちかねの篠弦(しのげん)さんのコンサートが開幕。
篠笛の情緒的な澄んだ音色と、フォークギターの優しく包み込むような弾き語りのハーモニーは、心が洗われるリラクゼーションのような美しさ。
さらにウクレレ演奏と皆さんの充実感に満ちた歌声も手伝って、広大な空と山々に響き渡る。
癒しの音楽も、やがて、『♪ もみじ』&『♪ ふるさと』の合唱で幕を閉じました。
久しぶりに充実感に満ちた1日でした。

 ☆はじける笑いの中に繊細な感覚の光るレポート、ありがとうございます。
  ほんとはさらに楽しさ満載だったんですが、ちょっぴり割愛しちゃいました。。ごめんなさい!
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チームあおいとりのみなさん、それぞれに楽しさ伝わるレポートありがとうございました!
ちなみに「あおいとり」は、京都ライトハウス鳥居寮で文章講座を受講した視覚障害当事者の会で、普段は文章を書くことを通じて訓練修了後も主体的につながりを持ち続けることを目的に活動しています。
(実は天使の杖にも、ときどきあおいとりのみなさんのレポートが登場してるんですよ♪)
今回のあおいとり 秋の遠足では、普段のメーリングリストを抜けだしみんなで大自然に飛び込み、まなざし農園での体験を通して大地にふれ、地元の皆さんとの交流を深め、そこで感じた「見えなくても楽しい」を天使の杖で全国へ発信するという連携企画を実現することができました。
また今回は収穫体験に加えて収穫祭の場にも参加させていただいたことで、土を耕して種を蒔き、芽吹いた作物を育ててそれがやがて実を結べば、そこに人が集い、感謝が生まれ、笑顔が生まれるという生命のサイクル、自然のリズムにもふれることができた気がします。
視覚に障害のある私たちにも開かれた農園を築いてこのような素晴らしい機会を与えてくださり、事前に何度も打ち合わせを重ね、相次ぐ変更にも丁寧にご対応いただいたばかりか当日は真心のこもったあたたかなおもてなしで迎えてくださったチームまなざしの皆様、楽しいひとときをご一緒くださった地元の関係者の皆様、サポートしてくださったすべての皆様、本当にありがとうございました。


心地よいメロディにリズム合わせ ふと見上げれば 
淡い光に葉を広げる 大きな木のシルエット 
このシルエットがもう見えない人も 
この淡い光が本当は青い、青い空だと知っている人も 
色を失い やがて光と影も失う私も 
心ひとつに優しい音色に包まれる今がある 
頬に差す光 誰もが涙ではなく笑顔で受け止め 
喜びも 悲しみもわかちあい 
人と自然の奏でるハーモニーに心重ね ともに歌う場所がある 
あふれる想いメロディに溶け あたたかな大地に還っていく 
いま 心からありがとう 

(2022.10 by yuki)


★初めてのまなざし農園体験記はこちら
(農園アクセスやお問合せ先なども掲載しています)
残念!それはこの星のカケラ・・ 大地を感じて農業体験 in まなざし農園
皆様ぜひ実際に訪れてみてくださいね♪


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