天使の杖でおいでやす トップページへ戻る

天使なきらら特別企画

大人の修学旅行  めっちゃ遊ぶ視覚障害者


天使の杖のおでかけレポートを、みんなで体験してきました♪


「見えない人の運転する列車でみんなでおでかけしませんか?」
そんな妖しい香りを放つ招待状が密かに配られた、令和の夜明け。
ミステリー列車のレールはなんと!
天使の杖のレポートの上をとおって敷かれているもよう。
motoちゃんがみずみずしいタッチで水先案内人を務めてくれる
そのレポートは・・

水音から広がる風景 けいはんな記念公園 水景園

ここ、ぜひいってみたかったんです。
みんなで行けるなんてすごい!
そんなわけで私(yuki)は一応共催という立場であることも、
あくまで大人の修学旅行であることもすっかり忘れ、
バナナはおやつに入りますか?と質問したい逸る気持ちを抑え、
招待状片手に、白杖をもう片手に、
motoちゃんと一緒に参加させていただいてきました。
レポート実践×見えない大人の修学旅行、どうぞ一緒にお楽しみください。

目次
1.大人の修学旅行 秘密のしおりこっそり紹介
2.天使の杖のレポートをみんなで体験!
3.参加者さんのレポ
4.その他(深淵なるこの言葉)
5.企画概要と関連リンク

1.大人の修学旅行

今回の企画の仕掛人、何かとお世話になっている
いつもおもしろいきららの石川さんから、
事前に修学旅行のしおりが届きました。
なんだか女学生に戻ったみたいでわくわく。
持ち物については大人なので細かい指定はありません。
バナナについての言及もありません。
唯一、準備として、心の準備体操とあります・・
このミステリー列車、乗るには覚悟がいるようです。

秘密のしおりに書かれていた日程

1日目
☆最初のレク
 天使の杖のレポートをみんなで体験
★次の目的地へ移動しながら 車内レク1・レク2
☆夕食をとりながら 食べるレク
★食後のレク

2日目
☆芝生の上で体を動かすレク
★レクについての交流会
☆帰りのバスの中で最後のレク と思いきや
★うちに帰ってからの宿題レク

すごいです。
獅子座流星群もびっくり?レクリエーションの土砂降り予報です。
このレクの数々と移動を円滑に進めるために、
参加者はその都度グループ分けがされていましたが、
そんなところにもすでに楽しい仕掛けが。
例えば私は、最初はキキララチームのブルーベリー組、
次の移動時はくちなし組、翌日はチーム・パッション
に振り分けられていました。
見えない私たち、何になれるか自由自在。
言葉が無限の可能性を秘めた世界にいざなってくれます。
「このおもしろいグループ名、どうやって決めたんですか」
あとで聞いてみたら、
「ん?適当」
と返ってきました。
当日が楽しみです。

2.天使の杖のレポートをみんなで体験!

いよいよ当日。
続々と集まってくる参加者の皆様と挨拶を交わします。
集合場所の祝園駅で、手引きをしてくださる方たちの
講習のあと、グループに分かれ、早速最初のレクリエーション、開始!

レポートの場所、水景園へ向かうところから、レクは始まっています。
レポートには〈声の道案内〉があるので
バス停でバスをおりたあと、ちゃんと頭の中で道順を
イメージ。「あっちのはず!」なんて手引きのかたを
引っ張りながら到着。
新緑を渡る風の心地よい園内は、レポートのとおり
いたるところから水音が聞こえてきます。
高く低く、遠く近く。
小さくささやく音、強く激しい音。
ふいに現れる音、ゆったり広がるハーモニー・・
これまで私は、まるで習ったことのない外国語のように
水音を単に「水の音」とひとくくりにしていたように思います。
それが、水音にも様々な種類があり、水音から立体的な
風景を感じることができるというレポートを読んで
心を澄まして歩いてみると、本当、水音はなんて
表情豊かなんだろう・・。
新しい水音とともに新しい自分の感覚に出逢いながら
水音を探し、風景を描き、自然と一体となって歩く。
それは、身体の周りに鮮やかな風景が広がると同時に
心の中にも豊かな世界が広がっていく
素敵な体験でした。

池に面した幅の広い木の階段に腰掛け、キキララのみんなと
ランチタイム。
私とペアを組んで手引きをしてくれているのは
大学で視覚障害者の食について研究しているという
明るく優しい女の子。
そんな研究をしてくださっている人たちがいることや
そんな彼女と食を共にするご縁への感謝もかみしめつつ、
女子トークに花を咲かせての青空ランチ。
ぜいたくなひとときでした。

集合場所の芝生広場を目指し、
木漏れ日の撥ねる池の畔を歩いていると
別のグループに遭遇。
「こっちじゃないみたい」
みんなでぞろぞろ引き返します。
来た道を引き返すのはあまり好きじゃないと思っていましたが、
見えない私たち、同じ道と言われなければ気づかないかも・・
いえやっぱりどこか懐かしい足下の感覚、そして水音。
逆戻りの風景もいとおしみながら受付を通過し、
反対側の芝生広場に無事到着しました。

レポートを実践してみた各グループからは・・

●思いつくままに出かけるのも好きだけど、こうして
レポートをもとにみんなで出かけるのも新鮮。
おでかけスタイルの選択肢が広がるのはいいと思いました。
●読むだけより、やはり実際に自分で歩けてよかった。
計算された風景とその中に感じる自然・・
水音だけでなく小鳥のさえずり、足下の感覚、風などを
全身で感じることができた。
●実際に自分で感じられるのも嬉しかったし、
自分だけでは感じられないこともみんなと歩くことで
感じられた。
一緒に歩いてくれたかたが植物に詳しく、
知らなかったことをいろいろ教えてもらえたのも嬉しかった。
(そういって、散策中に見つけた植物をみんなに
回してくれました。ああ、なんだか忘れちゃった)

みんなうんうん頷きながら聞いていました。

一番アクティブだったピーターラビットチームさんは
“笑いあり、涙ありの小旅行”をされていたみたい・・
そっと着いていってみましょう。

3.参加者さんからのレポ

待ちに待った6月1日。
くもりの予報が当日には晴れ。
皆様の日頃の行いです。
木製の階段をコツコツと降りる。
ベンチに腰掛けておにぎりを食べる。
池の飛び石をエイヤッと渡る。
後ろでキャーッと悲鳴が上がる。
ずぶ濡れになった子供。
汗だくになった大人。
なだらかな勾配を登る。
メエメエと猛獣の遠吠えが聞こえる。
人間達は尻尾を巻いて逃げ出した。
大地を踏みしめグングン登る。
どうぞお使いくださいと木製の杖。
白杖と比べてずっしりと重い。
杖を片手にゴツゴツと地面を削る。
楔を打つ。
ズンズン進む。
岩を穿つ。
登っては おり、また登る。
「本当にこの道で合ってるの?」
リーダーは不安そう。
僕らはひたすらついていく。
池をぐるりと回る。
前方から賑やかな一団。
池を反対側から回った別のグループとこんにちは。
お元気ですか。
リーダー御一行様は疲労困憊です。
芝生に集合して今日の長旅はひとまずお開き。
充実したハイキングでした。
笑いあり涙ありの小旅行。
これもひとえにサポーターの皆様のサポートのおかげです。
本当にありがとうございました。

◆◆◆

いろんな音の聞こえる楽しいレポート、ありがとうございます。

仲間の一歩を支える杖になりたい。
そこから笑顔の生まれる幸せの杖になりたい。
そんな図々しい願いから生まれた「天使の杖」。
レポートをもとにみんなで元気に歩けたことに
幸せいっぱいいただいた1日でした。
つながりを企ててくださった石川さま、サポートしながら一緒に楽しんでくださった皆様、
来て良かった!と笑顔をくださった皆様、 本当にありがとうございました。

って、ここで終わりじゃないんです、この企画。
大人の修学旅行は続くよ どこまでも~

次ページに続く
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