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特別企画 レポーター養成講座02

お弁当箱に詰められた美と芸術、それは窓の外に広がる庭園に息づく世界そのものだった
吉兆・松花堂弁当と松花堂庭園



目次
1.発祥の地でいただく 豪華絢爛!松花堂弁当のすべて
2.地中からの響き 水琴窟の音色に魅せられて
3.和の庭園もじっくり味わえる ボランティアガイドさんと巡る松花堂庭園はわくわくがいっぱい!
4.すぐ行ける!アクセスと声の道案内
5.基本情報

 今回私が真っ先にお届けしたいのは、松花堂弁当の上質なお味と美しさ。
そして水琴窟(すいきんくつ)の音の響き。
まずは続けてお楽しみください。 (by moto)

■京都吉兆 松花堂弁当(税込5000円)
場所 敷地に入って右。庭園には入らず、その手前を右へ。
 お店に入ると大きな窓から見えるお庭。
そのまま続いて松花堂庭園が広がっています。
お弁当を食べながら観る2つの美の世界。
舌と目で、絡めながら味わうそれぞれの芸術美。

 昭和の初め、松花堂を訪れた吉兆の創始者が、床の間にあったお道具箱を見てその機能美に感心。
この形でお弁当箱を作ったのが、松花堂弁当の始まりだそうです。
お弁当箱に入れるお料理に決まりはないようです。

今回いただいたお弁当
お盆の上に田の字型のお弁当箱 お盆もお弁当箱も無地の黒色。蓋は茶色。
右上
ひょうたん型の器 白地にふちは藍色
鰤といかのお刺身
細長く切られたみょうが。
右下
朱塗りの丸い器
鰆の柚餡焼き。
軽く揚げたししとうと椎茸、人参の煮物。
左上
奥に小さな器がみっつ。
白に藍色の縞模様・抹茶色・白にふちが藍色。
中には、豆腐の和え物・松前漬け・人参と春菊の胡麻和え。
手前には、出し巻・節分のせいか巻きずし・つまようじにさしたエビとくわい。
左下
白い四角い器。食べ終わると、底に藍色で吉の文字が現れる。
かす汁の炊き合わせ。かぶら・赤カブ・子芋・人参・春菊。
お盆の右
 ご飯。
お漬物(壬生菜・鰹節の粉をまぶした昆布・カブ)
ご飯茶碗は朱色。お漬物の器は白の丸皿。
ご飯のお替り自由 2杯目は梅かごまをかけてくれる。器は白に替わる。
お盆の左
黒の汁椀
お吸い物 エビのしんじょうとわかめ

〈感想〉
とにかくご飯がおいしかったです。
外でいただく時、料理が美味しいと思うことはあっても、こんなにご飯の美味しさに感心したことはありません。
釜で炊かれているのでしょうが、聞きそびれました。
えびのしんじょうは、とろりとした中に、えびのプリプリの食感が残り絶品でした。
全体に京料理らしい薄味で、お出汁の味が楽しめました。
かす汁は匙ですくっていただきます。
わたくし、いつもより上品にすまして食べているつもりが、汁をセーターに吸わせておりました。
あらお恥ずかしい。

■水琴窟(すいきんくつ)
場所 庭園入口から、竹林、池の石橋を渡った奥。梅隠のすぐ近く。
 「カーン   カーン」
小さな鐘の音のようなのにオルゴールみたいに優しい。
水底から湧き上がる響き。
私は、初めて聴く音に少し興奮し、水音の手前にある竹筒に夢中で耳を押し付けました。
 水琴窟の音を聴かれた事はありますか?
江戸時代に寺院などの庭に作られたのが始まりらしいです。
ぽたぽた落ちる水音が水底に仕掛けられた釜に当たると、こんな音が跳ね返ってくるのです。
 2メートル程離れた場所にある、茶室の待合に座っていても、かすかにこの音はしてきます。
この梅隠と呼ばれる茶室の辺りには、梅の花もちらほら咲き始めていました。
茶席を待つ人は、音を楽しみながら静かに時を過ごすのでしょう。
 水面に落ちる水音と、身体の奥まで届こうとするかのようなこの響きが、同じ水音だなんて!
鳥の鳴き声の現実感とのギャップが、音色の不可思議さを強調させます。
日本庭園は四季によって移り行く木々の色まで計算されています。
でもまさか、水中から湧き出し、地面に広がる音にまで配慮されているとは。
感嘆の溜息が洩れました。


 さて、お腹も心も満ち足りたところで、ここからはゆっくり庭園を散策いたしましょう。
松花堂庭園は、松花堂昭乗(しょうじょう)さんが造られた庭園です。
石清水八幡宮にあったものを、明示の神仏分離の折に移設再築されたものです。
石畳をコツコツ巡りながら、竹を触るも良し、お茶室でのんびりされるも良し。
松花堂昭乗さんは芸術に秀でた方でした。
その美の世界を少しでもご案内できれば幸いです。

■外園(がいえん)を巡る
場所 多羅葉(たらよう)の木は松隠の裏手
 受付で案内のボランティアさんを予約していることをつげると、その方はすぐ来て下さいました。
今回のレポはこの方のお陰てすみずみまで見て回れました。
40種類もある竹と咲き始めた椿を丁寧に説明して下さいました。
竹を触りながら歩く石畳。
 ひし形に組み合わせられたところもあり、歩きにくいのですが足でデザインがたのしめます。
道と木々の間にはさまざまに加工された竹の囲いがありました。
鉄棒のように竹そのものを使っていたり、縦に切って半円に曲げたものを連ねてあったり。
竹かごのように繊細に編まれたものも。
松花堂昭乗さんは竹かごのデザインもされていたそうです。
 石橋で案内の方が手を叩くと、鯉がたくさん寄ってきました。
大きな錦鯉や、金色の鯉もいるそうです。

 多羅葉という面白い木もありました。
昔は紙が貴重品だったので、この葉っぱに手紙や和歌を書いて交換したそうです。
葉書という言葉の語源はこの木らしいです。
何だかロマンチック。
現代のメールやラインが味気なく思えます。
縦に長い硬めの大きな葉っぱは書きやすそう!
ここの木の葉っぱには訪れた人の願い事が書かれています。
願いが叶うと評判になると、葉っぱが持ってかえられそうですね。
内緒でそっと書くのが奥ゆかしくてよさそうです。

〈触ってわかる竹知識〉
場所 庭園近くに多数、外園全体に生育
 私が覚えている竹の種類を少し書いておきます。
 節が1本のものは、柔らかく食用にも向くそうです。
2本あるものは、すでに奈良時代に存在していました。
平安のお話であるかぐや姫はこの竹だそうです。
竹を見つけたらぜひ節を触って下さい。
1本だったら筍が、2本だったらかぐや姫が見つかるかも。
 他にも色々な形の竹に触らせてもらいました。
亀甲竹(きっこうちく)は節から節にかけて丸くなっていて、節が交差しながら連なっています。
女竹という細い竹は、筆に使われています。なるほど、持っただけで筆の感触がします。
自然に四角い形になったもの。
ひょうたん型のもの。
黄色と緑の縞模様がチェックになっているおしゃれなもの。
などなど…
 分かりやすく熱心な説明を聞いていると、手に伝わる竹の冷たい感触と形が、
のっぺらぼうの世界に鮮やかに浮き出すかのような錯覚がしてきます。
風に笹がざわめき、黄色と緑のストライプの市松模様が確かに見えた気がしました。

〈松竹梅みっつの茶室〉
場所 入口から向かって、左手奥に竹隠、右手奥に梅隠、さらに奥に松隠
 茶室は松隠・竹隠・梅隠の3箇所あります。
 冒頭で触れた水琴窟の傍にある梅隠は、にじり口から入ると土間になっている変わった造りでした。
 松隠は、もとあった石清水八幡宮では櫓の上に建てられていたので、そのまま再現されています。
にじり口へは、大きな石が積み上げられています。
その上に上って入らなければなりません。
着物を着てここから入るのは大変でしょう。
もっとも実際には、別の入り口もあるのですが。
ここは、四畳半ではなく四畳の細長い造りになっています。
景色が見やすいためでしょうか。
櫓の上から見える景色を眺めながらの茶会は、さぞ風流だったことでしょう。
現在の場所は、窓の外は住宅街で家と車しか見えないそうです。
 竹隠は比較的新しく、新日鉄の社長が建てられたとのことです。
通常は日曜は茶席も催されています。
観光で訪れた人も、気軽に楽しめます。
ここは四畳半の普通の造りでした。
 欄間には葦が貼ってあり、取り付ける紐が山の形にみえるように縫われていました。
空の部分は、山より薄い茶色に塗られているそうです。
その形をさわらせて貰い、こんな想像をしてしまいました。

ふと頭を揚げ白い障子から視線を上げる大和撫子。
連なる山々を見て、「あらっ」と微笑む彼女。
それを見て「気づいたな」と心の中でほくそ笑むご主人。
ちょっとした遊びにも、雅な趣が感じられました。

 今回、昨年の自信と台風の影響で内園と松花堂は閉鎖されておりました。
茶室も壁にひびが入り使えない状態。
ですが、案内ボランティアさんがわざわざ茶室を開けて下さり、覗くことが出来ました。
歴史の説明など興味深いお話もして下さり、穏やかな声に聞き入ってしまいました。
見られる場所が限られていたにも関わらず、充分楽しませて頂きました。
行かれる際は、是非案内の方を予約されることをお勧めします。
費用は無料です。
 私は同行人と行きましたが、初めての場所み一人で行かれる方であれば、一人でも大丈夫だと思います。
京阪八幡駅からは、バスに乗れば難しい経路ではありません。
庭園の中では、段差は案内の方も声を掛けて下さいました。
しかしながら、手引きボランティアさんではない点はご理解下さい。
石橋には欄干がありません。お気をつけ下さい。
 最後になりましたが、一日も早い全面復旧をお祈り致します。
(訪れた日:2019年2月3日・日曜日 曇りのち小雨)

■アクセス
京阪電車「八幡市駅」下車、路線バスに乗車約15分「大芝・松花堂庭園」下車すぐ

声の道案内
京阪八幡駅改札
出た方向から、左に曲がる点字ブロックに沿って進む
バス停のある歩道に出る
点のブロックを踏んだところで右に曲がる
そのまま進む
点字ブロックはなくなる
左手にタクシー乗り場
さらに進むと1番のバス停
32番男山行き、77番樟葉行きのバスに乗る(20分台、50分台に1本。1時間に2本。)
大芝・松花堂庭園バス停で降りる
降りた方向から左を向く(左手が車道)
そのまま歩道を進む
下り坂。100メートルほど進む
信号のある交差点を左に渡る(音声なし)
右を向き、もう1度信号を渡る(右手が車道)
さらに150メートル程進む
右に八幡駅に行くバス停が出てくる
もう少し進むと左手に松花堂庭園の看板
到着(建物に吉兆の大きな文字)
敷地内をまっすぐ進む
右手 松花堂美術館、京都吉兆
左手 受付
突き当り 松花堂庭園

■基本情報
入園料 100円
(大阪北部地震及び台風21号の影響により、外園のみ開園)

公式ホームページ(外部リンク)
http://www.yawata-bunka.jp/syokado/sitemap/index.htm
↑サイトマップのURL(メニューがトップページよりわかりやすかったです)
〒614-8077
京都府八幡市八幡女郎花43番地の1
075-981-0010

 松花堂庭園ベストショット
 梅隠の待合に座ってパチリ
 水琴窟を中心に梅隠と梅の花。


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