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2023年玉手箱企画
図書館ノススメ  京都市右京中央図書館



 今回スポット紹介ということで、どこにしようかと悩みましたが、「京都市右京中央図書館」にすることにしました。
 視覚に障害がある方に図書館を紹介するなんて変に思われるかもしれませんが、私は視力の低下により仕事ができなくなってからの約10年間、平日の朝から夕方まで毎日、京都市内の図書館に通っていました。その中で一番よく行っていたのがこの右京中央図書館なのです。
 まず何といってもアクセスしやすいのが魅力です。
 地下鉄東西線「太秦天神川」駅を上がったらすぐなのです。改札(駅の西端)を出てすぐ正面が3番出口で、エスカレーターがあるのでそれに乗ります(昇りは左側)。一度降りて10メートルほど進むとまたエスカレーターがあります。
 地上に出たら左方向に向かいます(点字ブロックに沿って行けます)。
 このとき、左手はロータリーで、市バス「太秦天神川駅前」のバス停があり、多くの系統が利用できます。
 右手には大きな建物があり、これは「サンサ右京」という複合施設で、この中に右京区総合庁舎も入っています。右京中央図書館はこの3階にあります。
 50メートルほど点字ブロックを行くと、サンサ右京の入口の自動ドアがあります。
 地下鉄の改札からエレベーターを利用する場合は、改札を出て左に点字ブロックに沿って50メートルほど行き、つきあたりを右に行けば、左側にエレベーターがあります(2番出口)。地上に出てすぐ左に30メートルほど行くと、さきほどと同じサンサ右京の入口に着きます。
 二重の自動ドアを入ると、すぐ左に階段があり(左側通行)、左ななめ前に進むとエレベーターがあります。階段で3階まで上がったら左側、エレベーターなら右側に図書館の入口があります(左側から入ります)。
 入って驚かれると思いますが、とにかく大きいです。開館が2008年なのでまだ新しく、きれいな図書館です。本棚も十分なスペースを空けて配置されているので移動しやすいです。
 入って正面やや右側が受付カウンターです。カウンターを直角に左に曲がって壁にそって奥まで進んでいくと、左には本棚が並んでおり、右の壁際にはリラックスできるソファがずらりと並んでいます。
 さて、私が視覚に障害があるのになぜ図書館に通っていたかですが、まず家に閉じこもっていては精神的にあまり良くないと思ったからです。あと体もなまってしまいます。それに、図書館はお金もかかりませんし、エアコンも効いています。
 そうなのです。図書館は障害などで働けなくなった者にとってのマストスポットといえるのです。
 では、どのように活用するのかというと、ソファにゆったり座ってイヤホンで音声図書を聴くという方法があります。また、点字本を読むのもいいでしょう(申し込めばデイジー図書も点字図書も借りられます)。入口入ってすぐ右に読書室のような部屋があり、そこにはたくさん椅子が置いてあります。私もよく使っていました。それと、拡大読書器もあり、受付でお願いすると、なんと個室に案内してくれます。かなり優雅な気分になれます。
 また、何もせずにぼうっと過ごすというのもいいでしょう。私はだいたいこれでした。
 今回この案内を書くために2年ぶりくらいにこの図書館を訪れたのですが、そこかしこで当時の自分の姿を見つけました。
 当時の私は、「普通に働くことができなくなったのだから、こうやって孤独に生活するしかないんだろうな」とあきらめ、世間に背を向けてしまっていました。そうやってあまり幸せとはいえない自分に酔ってる感じもありました。不運な小説の主人公をきどっていたのかもしれません。
 しかし、今の私は少し心境に変化があって、「やっぱりちょっと頑なだったな」と、素直に当時を振り返ることができました。
 そのように思えたのも、京都ライトハウスに通って、たくさんの人と接する機会を得ることができたからだと思います。頑なだった心がほぐれてきたのでしょう(この表現も自分に酔ってる感じで嫌ですね。まだ何かの主人公を演じているのでしょうか?)。
 ですから、また私が図書館通いの生活に戻ることはないと思いますが、これからもたまには行きたいです。今回、図書館の落ち着いた雰囲気はいいな、と改めて思いましたから。
 皆さんもぜひ右京中央図書館に行ってみてください!
(説明が下手で申し訳ありません。特に、メートルはかなりアバウトです。)
(2023.1)


■京都市右京中央図書館
京都市右京区太秦下刑部町12番地 サンサ右京3階
開館時間 平日 9時30分から20時
     土日祝日 9時30分から17時
休館日 火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始

◆ ◆ ◆

図書館は視覚障害者には縁のないところと思っていたので、
アクセスのよさといい、多様な活用のしかたといい、目からウロコのおすすめスポット情報、
とっても参考になりました。
拒まれていると思い込んでいるところでも、実は扉はひらかれているのかもしれない。
レポーターさんがそこで過ごされた10年という歳月が、ずしりと重みをもって
そんな示唆をも与えてくれる気がします。
コロナ下では、ゆっくり過ごせるスペースがなくなってしまったという声を
よく耳にしましたが、利用制限もとかれた今、多くの当事者におすすめしたいと思います。
でももしかしたら、コロナの影響が転機となって動いた物語もあるのかも・・
なにしろ世界中の物語を詰め込んだ図書館ですから、
自分だけの物語の主人公を演じる時間をもつのも素敵なことだと思います。
2年振りに訪れた主人公、変わらぬ味のアローズのコーヒー・・なんて。

さあ、新しいページをめくったら、お次はどこへ行こうかな♪

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